パソコンを洗った
こんにちは
初投稿にしてこのタイトル。
グラフィックデザインをハワイで勉強し始めて早2年。
ずっとAppleのMac Book Airを使っていました。
日本の大学の合格祝いに両親に買ってもらったものでもうかれこれ8年弱の相棒。
クラスの課題をこなすには絶対的存在の(通称)Macちゃん。
クラスメイトにも
「お前いっつもパソコン抱っこしてるな?」
とふかわりょうのネタみたいなことをよく言われるほどどこに行く時も一緒。
今セメスターも始まって2週間。
日本の大学時代の潔癖代表の友人が遊びにくるとのことで
「よっしゃこの機会に片っ端から綺麗にしちゃうぞ〜〜い!」と小躍りしながら
ターゲット(なんかなんでもある、ジャスコみたいなやつ。ジャスコって。)に学校帰りに寄ることに。
一通り掃除用具やらもうすぐ切らす食器洗剤を買い込みいつものでっかい登校用のトートにぶちこむ。(ターゲットの袋は有料なのです。)
少し混んでいるバスにどうにか乗り家に着き、よっしゃやったると気合を入れトートから食器用洗剤を取り出す。
空中にシャボン玉のように舞う気泡とさわやかな香りに「うふふ、生活って悪くない・・・」と思うもつかの間、
手に絡むぬめり、
開いている蓋、
まさかと思いトートの中を確認するとそこには洗剤がぶちまけられたMacちゃんが。
拭く?!??拭いたら大丈夫!???
何で拭く?!?!?!?うち箱ティッシュないよ!???!?!
トイレットペーパーでいい!??!?
濡らす!??濡れたトイレットペーパーで拭く!????
トイレットペーパー濡らしたら溶ける!???!?!??!
てかそもそも洗剤に水つけたらアワアワになっちゃう!???!?!??!?!??!
パニックの極限に達した時になぜか出る、おでこの蕁麻疹が私の精神状態を表していました。
とにかく拭いて一度画面を開けてみると、動いてる。
いける。
頼む、もう少し頑張ってくれ。
お前の息があるうちにデータを移すから。
頼む。
そう思いながら閉じた画面。
それがMACちゃんの最期でした。
焦りと悔しさと虚しさと恐らくこの先息を吹き返すことのないMACちゃんを抱えAPPLE ストアへ行くとさわやかなお兄さんに「ご用件は?」と聞かる。
「なんか、あの、動かなくなっちゃったっていうか、その〜入ったぽい、液体がね、というか、液体というのは、あの〜えっと、、、、洗剤ね」
いろんなカスタマーを見てきているだろうお兄さんたちも「オ〜〜〜ゥ……」と言いながら「どういう状況?!」みたいな顔してました。
わかる。
私にもどういう状況かわからない。
わかる。
とりあえずジーニアスバーというスタッフの人が対応してくれるとこ待っててくれと言われ、ワイキキの浮かれた空気の中、MACちゃんを目の前に多分一番小さい背中していた私。
たまたまその日、そこで働いている友人がいたので「なあ、ジーニアスバーってアルコール提供してるん?」と苦し紛れの冗談をかましてみましたが今思うと何も面白くないっすね。
10分後くらいに担当のお兄さんがきて再び洗剤のくだりを説明させられる私。
とりあえず中を開けて確かめてくるねと言ってからさらに10分ほど、お兄さんが私のMACちゃんと縦長の小さいパネルみたいなものを持って現れ、「これがデータ部分な。パソコンはもう動かない。」と軽く告げられました。
戦で負けた戦友の亡骸と形見を渡されたときってこういう気持ちなんだろう。
しかも敗因が洗剤。
多分、パソコン開けたときいい匂いしたんだろう。担当のお兄さん、「この液体なんなの?」と聞かれる。
説明しただろ!???!??!何度も私の愚業を語らせるな?!??!?!?
友人が隣で「ハハハ、パソコン洗おうとしたんだって😂」と冗談を言う。
そこからはもうほぼ記憶ないです。
とりあえず明日の授業のためにも迷っている暇もなく新しいパソコンを買わなくては、、、、ということで新しいIPHONEのためにしていた貯金を崩し買うパソコン。
キャンペーン中だから300ドルするヘッドフォンついてくるって。
いらねえよ。
300ドル値引いてくれよ。
「新しいパソコン買ってこんな遠い目しながら歩いてる人なんて世界中で私くらいだろうな」と思う小雨の中の帰路。
部屋の中はまだ、洗剤のさわやかな香りがしていました。