エレベーターで食品をぶちまけた話
コストコってやっぱり安い。
「や〜今日はパンだけにしよう」と思った30分後にはもうアホみたいな顔して抱えきれないくらいカートに入れてるね。
その日も「いや〜パンだけ!パンだけよ!」と思ってたのにアーモンドバターとか種無しぶどうとかギリシャヨーグルトとかスモークサーモンとかアホみたいな顔しながら買い込み、友人と友人の彼氏が家まで車で送ってくれました。
駐車場から部屋まではこれつかいなよ〜とプラスチックの折りたたみ式のカゴを貸してくれ、さらに部屋まで手伝ってくれようとしたので申し訳なく思いカゴは明日返すことにして一人でエレベーターへ。
重いけどまあすぐだし。
扉の閉まるその直前、カゴからピキッッッッと音がしまもなくドンガラガッシャーーーーンとカゴの底が抜けた。
転がるギリシャヨーグルト。
散る種無しブドウ。
閉まる扉の隙間から聞こえる誰かの「オーマイゴッド…」
何が起きたのか理解ができず底の抜けたプラスチックのカゴを抱えて呆然とする私
人間ってあの〜前回のパソコンの時もそうなんですけど、危機に遭遇したときってものすごい早さで脳みそが動きません?いうたらドラマ ガリレオ的な。BGM聞こえてくるよまったく。
ウォーーーイウォイウォイヤバイと思いながらも持っているツールは底の抜けたカゴのみ。高速脳回転の計算結果からとりあえず散らばった物たちを端のほうに寄せる。
この時点でもう、ハワイまできて何やってんだろうと思い一人フスフス笑い始める私。
ここでトラップなんですが、このエレベーター、私の住むフロアのひとつ上にしか止まらない=階段でワンフロア下がる必要があるのです。
さらにこの状況で人が乗ってきたらまーたヘラヘラしながら「ヘヘッちょっとやっちまいましてねぇ😅」みたいな茶番を演じなきゃならない…頼む誰も乗ってこないでくれ…
見事願いが神に通じ直通で私のワンフロア上で止まったエレベーター、どうにか左手で「開」ボタンを押し続けエレベーター「内」に転がっている購入品たちをエレベーター「外」へと放り投げる。ゴリラかよ。
ようやくエレベーターから解放されるもアホみたいな顔してアホみたいに買い込みに精を出した私は全てを抱えて階段を降りることができない。
突然迫られる取捨選択。
なあにこれ、私はなんかのことわざを体現でもしたの?
とりあえず持てる半分を抱え、半分はまた戻ってきて回収することに。
「頼むよベイビーたち、そこにいてくれ…」と願いながら部屋へ猛ダッシュ→部屋の前にとりあえず放置→ワンフロア上へ猛ダッシュ
さっきと変わらず無様な姿になりながらもエレベーター前で待っていたギリシャヨーグルトたち。よかった。迎えに来たよ。
どうにか汗だくで部屋に全てを収めたときに気づいたんですが、そういえばエレベーター内に監視カメラあったし、おまけにロビーでセキュリティの屈強な男がいつもモニタリングしてるんですよね。
私が床に散ったブドウやヨーグルトを見てひとり肩を揺らしながらフスフス笑ってたのも、ゴリラみたいにエレベーターから物を投げてたのも、そりゃあもう良いエンターテイメントだったろうな。
最悪。